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前立腺摘出手術について ヒロ さん

10歳のMダックス(オス)について質問です。
現在、前立腺肥大で、尿道がふさがれている為、昨日からチューブを通して排尿させています。
尿に血も混じっています。来週には睾丸の摘出手術(去勢)をしてみて、それでも前立腺が小さくならなかった場合、悪性のものでしょうと言われました。

ネットで調べたら、前立腺の摘出はかなり難易度の高い手術で、合併症の可能性も高く、見つけた時には骨とかに転移している可能性もあると書いてありました。
かかりつけの病院でも、似たような事を言われました。そして、血管や神経が入り混じっている為、全部綺麗に摘出出来るかわからないとの事でした。
摘出出来なかった場合、それからまた大きくなるとの事です。

しかし、摘出手術は最後の最終手段だそうです。
もし悪性だった場合、死を待つだけなんでしょうか?何か方法は無いでしょうか?
または、前立腺のNO1の病院をご存知無いでしょうか?

PS 先ほど病院より戻ってきましたが、昨日入れていたチューブが入らず、1つ小さいサイズを尿道に通しています。
急激に前立腺が肥大しているみたいで、悪性の可能性80%との事でした。

Re: 前立腺摘出手術について 通りすがりの医学生 さん

ヒトの場合の話です。
悪性かどうかの判別がまだついていらっしゃらないようですが、前立腺がんの場合、進行度によって手術にするか、ホルモン療法を使っていくか、抗がん剤や放射線療法にしていくかが変わっていきます。
前立腺がんは、ホルモン療法が効をなすがんです。ステージが低い(=まだ癌が小さい場合)は手術で全摘出をします。

しかしステージが進むと、全摘は難しいので、前述した療法を行って進行を遅らせるのが一般的です。特に前立腺がんは骨転移しやすく、その場合はモルヒネなどを使いながらの緩和医療にせざるをえません。ヒトでも骨転移の骨芽細胞や破骨細胞の抑制に使われる薬を今年やっと学会に出されたばかり(だったと思います)なので、術式はいろいろあるけど、まだわからないことも多い癌です。

ヒトは前立腺がんの場合、特異的なPSAという血液のマーカーがあるのですが、ワンコはどうなのでしょうか。もしワンコにも同じものがある場合、血液検査で前立腺がんかどうかについて診断を下せると思います。今は癌か前立腺肥大かどうかの鑑別を行うのが一番のように思います。ただ、急激に前立腺が肥大しているとのことなので、あまり楽観視はできません。
長々と書きましたが、以上のことはネットなどで調べて知ってらっしゃることかと思います。

Re: 通りすがりの医学生さんへ ヒロ さん

アドバイス有難うございます。
犬の場合、悪性かどうかは開腹しないと分からないそうです。
ステージの進み具合で違うと思いますが、もし悪性の場合でも、ホルモン療法、抗がん剤や放射線療法で完治するのでしょうか?
ちなみに、現在の前立腺は5センチ前後です。

Re: 癌の治療方法について 通りすがりの医学生 さん

酷なことを書きます。見たくない場合は飛ばしてください。

癌の治療方法がいろいろあるような癌は、逆を言えばこれがいい!といった治療法がない癌なのです。
腕のたつ医師は、心不全や脳梗塞などの急性の病気の手術でこそ腕を見せることができますが、癌の世界で腕を見せることはできません。ステージが低いために手術で全部取り除ける癌や、化学療法が特異的に効果がある精巣癌をのぞき、ほとんどの癌はそのように進行を遅らせるしか方法がないのです。
前立腺がんも放射線治療だけで、いろいろ方法があります。が、実際どれだけ新式の術式を行っても、その治療効果があるのかどうかはわかっていないし、実際あまり効果がないのが現実です。

ただ、進行を遅らせることで、治療をしなかった場合では半年しか生きることができなかった場合と、3年間生きることができた場合では、やはり家族の気持ちは違うのではないでしょうか?癌は急に死ぬ病気ではありません。
別れの時間や、共に過ごす時間をほかの病気に比べて格段に長く、与えられている病気です。
特に前立腺がんはホルモン療法が癌を抑える効果が大変高く、その点では他の癌に比べてよかったといえるのかもしれません。

私もワンコを飼っています。いつかは死ぬ命と知って、でもできれば長く生きていてほしい、死ぬときはなるたけ自然に老衰のように、穏やかに逝ってほしいと思っています。ですが、実際はそういう風な幸せな死に方はできないとも思っています。もし急性の病気や交通事故で死んでしまったら、悔いばかり残ります。それならばまだ癌のほうがいい。私自身はそう思っています。

Re: 前立腺摘出手術について 通りすがりの医学生 さん

レス気づきませんでした。開腹しないとわからないですか。
ヒトの場合は、前立腺にたいし針生検を行い病理診断をします。これで高分化型、中分化型、低分化型の確定診断をします。低分化型が一番性質が悪いです。細胞が元の組織を忘れ、キチガイのようになってしまっているとイメージするといいと思います。

病理検査とは別に、前立腺は直腸からも触れることができるので、直腸診や腫瘍マーカー、超音波による診断などもありますが、確定診断はやはり上記のように前立腺の針生検であり、これで前立腺がんであるかどうかは確定できます。治療は

StageA1:高齢者:無処置で経過観察
StageA2:前立腺全摘出術

StageB:前立腺全摘出術+(放射線療法+内分泌療法)
StageC:(前立腺全摘出術)+放射線療法+内分泌療法
StageD:内分泌療法(+科学療法)
となります。

完治に関しては、病理診断で高分化型の前立腺癌であること、Stageが低く、全摘出術が行えること、などの条件がそろえばできるとは思いますが、進行していて、低分化型の場合には難しいです。ですが、前述のとおりホルモン療法が有効なため、癌で死ぬことなく余命をまっとうできるケースが多い、どちらかといえば幸せな癌でもあるのです。

Re: 癌治療の考え方 ちびちち さん

私は多頭飼いをしています。その中で2年前、病気で1頭を亡くしました。
治療はできるだけのことをしましたが完治はしない病気でした。
その中で考えたことは、残された寿命が飼い犬にとって飼い主にとって価値あるものになるように、いわゆるQOLを高めることを主目的に治療に当たりました。
当然の重病の宣告と現在の治療に戸惑っておられると思います。

獣医の説明、自分で調べることは悪い方へと向かいがちです。
10歳という年齢でしたらまだまだ手術にだって耐えられるし、手術によって現在ある苦痛から開放されればQOLも高まると思います。
でも、今まで一緒に生きてきた10年よりこれからの時間の方がたくさんの思い出を作ることも可能です。
どうか悲観的にならずQOLを高めていけるよう前向きに考えていってください。

Re: 前立腺摘出手術について 通りすがりの動物看護士 さん

酷なことを言うようですが、
若いときに去勢手術してあげてたら防げてた病気かもしれないですね。
もう今更…ですが。
今あなたができる、あなたの犬にとって一番の方法を探してあげてください。
お大事になさってください。

Re: 前立腺摘出手術について alice さん

犬の場合ですが人の前立腺肥大とは異なり、非腫瘍性の肥大の場合、前立腺尿道部が狭窄することはまずありません。
かなりの肥大を起こしていても排尿障害を伴うことはまれです。つまり、この子の場合、前立腺の腫瘍性変化や膀胱腫瘍の尿道浸潤などを考慮に入れる必要があります。
考えられる検査としては、膀胱、前立腺の超音波エコー検査および針吸引生検、レントゲン検査(前立腺の石灰化がある場合は腫瘍の疑いが濃厚)、尿路造影検査などが考えられます。

直腸からの前立腺マッサージを行いながらエコーガイド下で尿道カテーテルを前立腺尿道にまで誘導し、吸引による細胞診も可能かと思われます。(つまり試験開腹しなくてもある程度の診断は可能ということです。もちろん開腹によって直視下で生検や確認をすることも確実な診断法といえます)
前立腺全摘出・尿道端端吻合術は個人的にはあまりお勧めできる手術法ではありません。かかりつけの先生とよく相談されて今後を考えるべきかと思います。
最近では腫瘍化した前立腺を摘出後、膀胱側の尿道断端を腹壁に通し、包皮粘膜面に逢着、開口させるという術式もメジャーになってきました。個人的にはこちらの成功率のほうが高いように思います。(獣医さんによっては意見が異なるということもご承知おきください)
最終的には獣医系大学の大学病院を受診されるという手もありますので、ご検討ください。

Re: 前立腺摘出手術について ヒロ さん

皆様、色々とアドバイス有難うございます。
重症というのは間違い無いみたいですね。
どんな結果でも、最後までこの子を守り続けたいと思います。

とりあえず、来週の火曜日に去勢手術をする事になりました。
本当にアドバイス、有難うございました!