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ペットの終末医療をどう考えますか?

ばぐー さん

ペットの終末医療について、意見を伺いたいと思い書きこみます。
特に ご自身のペットを見送った経験をお持ちの方(ペットロスの方を除く)、もしくは高齢犬オーナー、ペット産業界の方、のご意見を広く伺いたいと思います。(ペットロス・飼い始めたばかりのオーナーさんには重すぎる話題ですので不快に思われる場合が有ると思います)

まず、人間の医療でも、終末医療・ホスピスなどの考え方があります。
ホスピスでは 個人が、「死」に対して、また自分の「生(個人史)」に対して、どう向き合うかがテーマに成ると思います。
やがて確実に来る死と、どう折り合いをつけるか、その為に何を準備するのか。

これには「高度延命治療」と「病院で死ぬ」という事について、人が本来有るべき姿とのずれを感じる、という問題があり、より人間らしくありたいという意見が関係しています。
個人にとってより良い「生」と「死」は重い議題であり、重要かつ結論を得がたいものだと思います。
去り行く人の「意志」以外にも、見送る側の「想い」も問題となり、ホスピスは難しい問題をはらんでいます。
時には当人の意志が周囲の者の意見と対立する事もあるでしょう。

アメリカでは 延命治療に付いての拒否を個人の意志で選択できます。
インドに有るある町は、死を迎えるための場としての地位を獲得し、ただ死ぬためにそこを訪れる人が絶えないといいます。
最後まで「生」にかける方もいれば、やがて訪れる「死」を自らつかみたいという人もいるでしょう。

ペットの場合、その死を決定付けるのは「飼い主」になります。
あなたは、その「時」を、どう考えますか?
・自宅で死を迎える犬
・動物病院で死を迎える犬
・大学附属動物病院で死を迎える犬

例え 同じ犬、同じ症状でも、終末医療により「死」を迎えるのに 時間・心情共に多少の幅が有るように思います。
また その他にも 様々な場合があると思います。
場合によっては飼い主が「その時」を決めなければならない事も有ります。犬の苦しみ・行動の自由・新たな治療をした場合の生命リスクなどと共に、正直なところの治療費・介護の手段などの問題も有るとおもいます。決断を迫られるその時、「何を持って決断できるのか」も、飼い主に迫られる難しい問題です。

最後まで治療を続けたからといっても、良い結果が残るとも限りません。
私たち飼い主が、何をし、何が残るのか。
そして、送る私たちが「出来る事」には 広い意味で何があると思いますか?

とても重たい話題なので それぞれの意見があって 結論が出る事は無いと思います。
不快ではない方の、経験から来る ぶっちゃけたご意見等 お待ちしております。

追記
私たちの身の回りには 目に見える死が少なくなっていると言われています。
目に見えない様々な死の中には、肯定的な死もあるように思います。

RE:ペットの終末医療をどう考えますか?

獣医さんは? さん

確かに軽々しく言えない問題です。
貴方が今現在、この問題をお抱えになっているのか?一般論として意見交換したいのか?でも述べ方が違ってくるかと思うのですよ。
人間の「不老長寿」を考える世代になりましたが、只単に長生きすれば良いと言うのでなく、生活の質を保った意味のある生命でありたいと個人的には考えます。
だから、家庭で飼う犬達も長生きしてもらいたいですが、ベッドで横になったまま、生きているだけと言う命の質でしたら、終末医療に頼るばかりは誠に淋しいです。
その状態になるまでに、精一杯楽しく遊んでやり、最後は自然に死を迎える形をとってあげればとも思います。
過去に愛犬を失った経験は数え切れない数です。

終末医療で長引いただけの場合は思い出としても宜しくないように、今は思っています。
一所懸命で看病して、愛犬が「満足でしたよ」と最後の一鳴きで行ってくれた時は、思い出としても嬉しいですね。
何が正しいのか、答えになっているのかも解りません。ゴメンなさい。

RE:ペットの終末医療をどう考えますか?

もこのママ さん

私は昨年(2004年)7月に8年近く一緒に暮らしたMIXを亡くしました。
この子は2003年7月に後肢に出来た血管肉腫の摘出を受け、化学療法(抗癌剤治療)を行いました。
その後元気にしていたのですが、昨年6月頃から食欲がなくなり、嘔吐が増え獣医師の元に行った時には腎機能が低下しており、かなりシビアな状態でした。

そして入院を勧められ、負担のない限り持続点滴を行うと言う説明を受けました。
少しでも可能性があるなら・・・と入院を承諾しましたが、翌日から毎日お見舞いに行くたびに弱って足腰もおぼつかない状況になるのを見るにつけ、治療をやめて家に連れて帰ることを決意しました。
入院してから5日目家へ連れて帰りました。

それから2日目の朝、夫と私の見守る中で苦しみながらも穏やかな表情で息を引き取りました。
5日も入院させないでもっと早くに連れて帰ればよかった・・・入院などさせなければよかった・・・獣医の元など連れて行かなければよかった・・・そんなことを思いました。

この経験からも最後は愛する家族の元で旅立たせてやるのが一番だと私個人は思っています。
愛犬が本当にのぞむ事は知らない人ばかりの中で、苦痛に耐え狭いゲージに入れられ治療を続けることでしょうか・・・。
それより愛する家族の元で過ごすことをのぞむのではないでしょうか?

それから人間にはないのですがペット達には安楽死という選択もあります。
これについては私は基本的には否定的な考えでいます。
理由はある獣医師が書いた本に「動物は苦しい時に『もう死にたい』と考える思考はない。常に生きることだけを考えている。」という文書に出会ったことからです。
これを読んだ時に動物の安楽死は動物のためでなく、苦しむ姿を見たくない飼い主である人間のためにあるのではないかと思うようになりました。
それから私はどんな状況になっても安楽死は選択しないという決意をしました。

終末期に関してはいろんな考えがあります。
何が正しく何が間違っているという線引きが出来ないのが現状です。
ただ、そのペットのことを本当に愛している飼い主がその子のために最良だと考えて選択すればそれが正しい答えではないかと思います。

RE:ペットの終末医療をどう考えますか?

ばぐー さん

獣医さんは?さん、もこのママさん、貴重なレスをありがとうございました。
私自身どうあるべきか考え、まだ結論が出てはいない状態での問いかけの書きこみでした。
私は先ず 飼育責任者として最もしてはいけないタブーとして、動物への過重労働の事を思い描きました。

見るに耐えないような苦痛を強いられる労働条件下での飼育は 現在の日本ではほとんど見かけませんが、有るとすれば実際問題として許されない行為です。
そしてその次に、適切な管理がなされない飼育にも 問題が有るというように思います。
この適切な管理と言うレベルが急速に変化しつつあるものでその度合いには賛否両論有ると思います。

また、飼育には苦痛を伴わない等の飼育責任が問われるのですが、色々な意味での死について、例えば食肉出荷と競走馬の食肉出荷など、肯定されるべき死と議論の余地の有る死の問題もあります。
ここではペットの問題ですから、ペットにもいろいろな役割はありますが、多くはコンパニオンとしての役割が中心だということになります。
そこでは重要に成るのは、飼い主との関係性という事になリます。
という事は、飼い主の納得が重要という事になりますね。

もこのママさんのレスに有る
>ただ、そのペットのことを本当に愛している飼い主がその子のために最良だと考えて選択すればそれが正しい答えではないかと思います。
>私はどんな状況になっても安楽死は選択しないという決意をしました。
貴重な意見だと思いました。
個人的には条件の整った人口飼育下の安楽死は自然死に準ずる場合も有りうるという気もしています。

具体的に考えなければ成らないのは 飼い主のストレス解消法なのかもしれません。
参考になりました。ありがとうございました。
言うは易し行うはがたし 的な結論なのだなと思いました。